介護福祉士試験

試験概要

介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」によって定められる介護の実務を行う人の基礎的な技術と知識を備えるための資格です。

介護の仕事は慢性的な人手不足におかれていますが、それとはまた逆行をする形で介護現場におけるスタッフの基本的な知識や技術についての要求は高くなるという傾向にあります。

介護福祉士の資格は介護という仕事の重要性が社会的に位置づけられてきた初期の頃にできたものであるため、これまでの社会情勢の変化によりたびたび改正をしてきた経緯もあります。

しかしながら社会的な意義の高さは年々上昇してきている傾向にもあり、今後もより一層専門的知識を備えた介護現場の人員を確保するための重要な役割をしていくことが予想されます。

資格取得までの主なルート

介護福祉士資格は、法律系資格のように年齢や学歴にかかわらず筆記試験にさえ受かればそれで合格というような種類のものではありません。

資格を得るためにはそれまでに条件にかなった実務経験や養成課程の修了をしていなくてはいけなくなっています。

最短ルートで取得をする場合には、まず高校を卒業した後に介護福祉士養成課程のある専門学校を出てそののちに登録をすることで2年で可能となります。

他にも福祉系の高校を卒業したのちに実務経験を課程に応じて追加することにより筆記試験までの時間を短縮することが可能です。

しかし介護福祉士という資格は国家資格ながら何らかの独占的業務ができる種類のものではないため、必ずしも資格を取得してから業務に就くという手順はとられるわけではありません。

むしろ最初は無資格か簡単な研修でとれる資格からスタートし、実務経験を3年以上積むことにより得た受験資格を生かして介護福祉士を受験するというケースが大半となっています。

試験は毎年1月下旬に筆記試験、その合格者が3月上旬に実技試験を行うという方式で行われます。

資格取得後の主な進路

介護福祉士の就職先は、言うまでもなく介護を実際に行う現場があるところとなります。

介護福祉士の資格を得てから介護の現場に入ろうという人の場合には、入所者のいる居宅介護サービスを行う施設に就職するということが多いようです。

居宅系の介護サービスでは、特別養護老人ホームや民間の有料老人ホーム、またはその他の通所施設や更生施設といったところがあります。

実務経験を積んでから資格を得たという人の場合には、既に勤務している介護サービスの現場を継続するか、もしくはもっと別の形で介護を行う現場へ転職するというようなケースがよくあります。

介護福祉士の資格を得ると、介護の業務を行う現場ではかなりつぶしがきくようになりますので、訪問介護やショートステイなどさまざまな形での介護の現場に関わっていくことができるようになります。