周りに頼る人がいない

頭を抱えて悩む女性

仕事を続けながら、ゆくゆくは遠方に住む親の介護もする予定です

親御さんが元気なうちにやっておくべきことは、帰省の回数を増やすことです。こまめに連絡を取っているのであれば特に問題ありませんが、普段さほど会話がない中でいきなり質問責めにすると、親御さんは驚きます。子ども側としては「今、ご飯はどういうものを食べているの?」「病院は行ってる?」など、あらゆることを聞きたくなるものです。
しかし、根掘り葉掘り聞くことで親御さんのプライドを傷つける可能性があります。心配事を口に出さないタイプの方であれば、問いただされることで不安を胸の内に抱え込んでしまうかもしれません。あくまでも自然に会話を増やし、なんでも話せる雰囲気をつくりましょう。帰省が難しい場合は、テレビ電話を始めるのも一つの手です。親と話す時間を過ごすことで普段の生活を把握できます。普段から連絡をこまめに取ることで、緊急時もすぐに連絡が取りやすくなりますよ。もし親御さんの介護が必要な状況になったら、地域包括支援センターに連絡をとり、介護認定(介護保険)の申請を行ってください。介護保険サービスを受けられるように動くことが大切です。

一人っ子なので、兄弟(姉妹)に頼ることができません

一人で親の介護をするのはとても不安なものです。「自分でどうにかしよう!」と思いがちですが、その不安を一人で抱え込むと、身体的・精神的に疲労がたまります。親の介護を行うことが決まったら、協力者を見つけることが先決です。公益財団法人生命保険文化センターが行った調査によると、平均的な介護期間は4.7期間であることが分かりました。ただし、これはあくまで平均です。10年以上介護が続く場合も考えられます。この期間を一人ですべて乗り越えるのは大変厳しいものです。一人で抱え込んでしまった結果、うつ病をわずらったり親に暴力をふるったりと、自身が望まない結果を招く可能性があります。
協力者の一人として挙げられるのは「自分の親」です。ですが、介護をする親のほうも高齢な場合が多いため、負担をかけないように注意しなければなりません。配偶者や親戚に頼む場合もありますが、どちらも自分の親ではないので、任せっぱなしにするのはもってのほかです。介護状況を常に把握したうえで、自身も時間をつくって介護に参加しましょう。その際は「ありがとう」の感謝の言葉と、思いやりを持った言動で対応してください。
現在独身の方や親せきも頼れない方であれば、介護士にみてもらう方法もあります。ただし、自宅でみるよりも費用が高額になりますし、空きが出るまで待たなければなりません。また、親に施設で生活する旨をきちんと伝え、納得してもらう必要があります。施設へお願いした場合は、時間があるときに親に会いに行って話をし、親の不安を解消できるようにコミュニケーションを取りましょう。

在宅介護で父親をみていますが、疲れてきました…

自宅で介護してあげたい一心でお世話をしても、現実は想像を超えてしまうものです。在宅介護の大変さは経験された方にしかわかりません。介護は育児と同様休みはないため、自分のことを後回しにしがちです。自分の時間は寝る時だけと感じることもあるので、介護を行うご家族の方が、追いつめられるケースも少なくなりません。
「在宅介護はこれ以上無理…」と感じたら、介護相談窓口を利用してみてください。社会福祉協議会や地域包括支援センターがあなたの相談にのってくれます。介護サービスに関する相談をはじめ、それ以外の悩みや困ったことの相談も受け付け可能です。
また、老人ホームや介護施設を利用する方法もあります。自宅で過ごしたい・自宅でみてあげたいという想いもわかりますが、介護者・被介護者どちらも負担がかかっては、より良い日々が過ごせなくなるかもしれません。これ以上疲れをためないためにも、老人ホームや介護施設を利用する方法に切り替えることも考えてみてください。

妻をみていますが、私自身の体調もあまりよくありません

自宅で夫婦ともに過ごしたいと考える方は多くいらっしゃいます。ですが、奥様を気遣うあまり、ご主人が体調を崩されてしまうと、厳しい生活を強いられるかもしれません。万が一、治療や入院が必要になると、それこそ奥様をみる方がいなくなる可能性が考えられます。介護側に負担がかかると外出回数が減ってしまうため、外部との交流が無くならないかも心配です。どなたとも会わない日が続くと、うつ状態や認知症の発症リスクが高まります。
奥様のことを第一に考えるのはもちろん大事ですが、ご自身の身体を労ることも大切です。自分は大丈夫と過信すると、自覚がないまま体調を崩す可能性があります。そのような時は、一人で悩まずに周りの力を借りてください。家族の手はもちろん、国や自治体のサポートも活用するとご自身の負担が軽減されます。
すべての介護を任せるのはしのびない…という場合は、入浴介助や訪問介護、ショートステイなど、負担に感じる介護のみを選択して依頼しましょう。ご自分が最適だと思う方法を選択してくださいね。

頼れる親族が周りにいない方に敵したサービスを知りたい

もし老人ホームに入居希望の場合は、身元保証人が必要になります。身元保証人とは、利用者が月々の入居費用の支払いができなくなった際、利用者に代わって支払いを行う連帯保証人のことです。ほとんどの老人ホームでは身元保証人(身元引取人)を必須としていますが、入居希望者の中には、配偶者に先立たれ子どもがいらっしゃらず、身寄りがない方もいます。そのような方々が利用できる方法としては「身元保証人がいらない介護施設」を選ぶことです。
ただし、その数はまだまだ少ない傾向にあるので、「身元保証人相談可」とする施設も検討するのがポイントです。中には、高齢者住宅財団が保証人の役割を担い、家賃などを保証する制度(高齢者家賃債務保証制度)を利用できるケースがあります。民間会社が行なう身元保証人サービスは、入居手続きのサポートをはじめ、病院への緊急搬送時の対応などを有料で行います。
介護だけでなく、遺品整理や遺産相続、葬儀といった手続きを希望する方は、おひとり様向け終活サービスも検討するのも一つの手です。入院や施設入所契約時の身元引受人をはじめ、葬儀やお墓の契約、死亡後のさまざまな手続きを親族に代わって行います。

現在看取り期の父親がいます。

「最期は病院でなく、静かなところで迎えたい」と希望する方はたくさんいらっしゃるものです。日々戦っているご本人だけでなく、その方を支えるご家族も同じくらい頑張りすぎる可能性があります。身内が少ないと頼る方が限られてくるため、いろいろと抱えこんでしまうかもしれません。そんなときは、不安・悲しい・苦しいといった感情にふたをせず、自分の気持ちを書き出したうえで、今起きている感情を受け入れることが大切です。
できる限りの人数で見送りたいというご希望、きっとお父様も望んでいることでしょう。こじんまりとした葬儀をご希望しているなら、家族葬が良いのではないでしょうか。もしくはお別れの会といった形式が望ましいかと思います。葬儀社によっては、宗教・宗派や規模に問わず、さまざまな葬儀に対応してくれます。葬儀や亡くなった後の手続きで不安なことがあれば、事前に相談しましょう。