福祉用具専門相談員

介護の職業

要介護者に必要な器具を調達する仕事

介護をしていくときにはその人にあった器具や家具などが必要になることがよくあります。

日本は先進諸国で比較してロボット産業に強みを持っている国ですが、この原動力となっていることの一つに高齢者人口の増加による器具開発の重要性があります。

「介護ロボット」という言葉も少しずつ世間的に浸透してきていますが、今や介護の現場においてはそうした便利な機器を使っていくということは当然の常識として受け入れられるようになっています。

ロボットというとまるで人がするべき仕事を機械にやらせるかのようですが、そうではなくもっと身近な形で利用をすることができる機器もたくさん開発されています。

また電子機器を用いない、車イスや手すり、歩きやすい杖のようなものなどもまた介護をしていく上で必要不可欠なものです。

福祉用具専門相談員とは、そうした幅広く存在している介護関連器具について専門的な知識を元に介護を受ける人の立場からより使いやすいものを提案・調達したりすることが業務となります。

福祉用具専門相談員になるには

福祉用具専門相談員として仕事をしていくには、まずは都道府県が指定した講習を受講し資格を取得する必要があります。

講習は全40時間となっており、高齢者介護をするときに必要となる基本的な知識や用具の使い方について学習をしていきます。

特に難しい試験を受けて合格をしなければとれないというような資格ではないので、既に介護の仕事をしているスタッフが、新たに専門知識を増やして仕事をしていくために事業所の方針などで受講をするというケースが多くなっています。

研修は各都道府県が日程や講師を指定するので、事前に申し込みをして各課程を受けます。

研修は必ず定められた日程で行われているわけではなく、また40時間の講習内容を何日以内に行わなければならないというようなこともありません。

ですが大抵の講習の場合には短期間に集中して6日程度で終わらせるようにしています。

なおこの福祉用具専門相談員の講習は、既に介護福祉士や社会福祉士、保健師、看護師、理学療法士など適合する資格を既に得ている人は受ける必要がなく、そのまま事業所に福祉用具専門相談員として登録をすることができます。

将来のキャリアアップにも役立つ

福祉用具専門相談員は、特定の介護事業所や福祉事務所の窓口に勤務をしてそこで介護を必要とする人に対してのアドバイスを行っていきます。

福祉用具専門相談員が取り扱いをするのは介護に使用される器具・機材一般ですが、よりキャリアアップを目指しさらに専門的な業務ができる資格を取得することができます。

福祉用具専門相談員の上位資格としては、福祉用具プランナー、福祉用具選定士、福祉住環境コーディネーター、福祉用具供給事業従事者現任研修会といったようないくつかのものがあります。

特に最近は住宅や施設のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化が重要事項になっているので、住居と介護用具に関わる仕事は需要が高くなっています。